Q1.破綻に至らせた配偶者に、いくら賠償請求できるの?     
A1.100万円〜500万円が一般的で、300万円程度が一番多いです。
 
 婚姻関係が破綻すると離婚請求ができますが、破綻させた配偶者は、他
 方の配偶者に賠償責任があります。

 相場というものはなく、裁判官の個性にも影響されます。「慰謝料算定の
 実務」(千葉県弁護士会編)だと、下記のとおりですが、当たらずといえど
 もちょっと遠いという感じです。 





   
婚姻期間 1年未満  1年〜3年  3年〜10年  10年〜20年 20年以上 
離婚に至った責任が軽い場合  100万円 200万円 300万円 400万円 500万円
離婚に至った責任が中度の場合 200万円  300万円 500万円 600万円 800万円
離婚に至った責任が重い場合 300万円 500万円 700万円 900万円 1000万円
 



        
Q2.不貞による離婚慰謝料は、不貞の相手方にも請求できるの?     
A2.できますが、減額される場合とそうでない場合があります。

 不貞をした配偶者は、貞操義務違反がありますので、損害賠償責任を負う
 ことは明白です。それでは、貞操義務を負わない不貞の相手方は、賠償責
 任を負うでしょうか?

 最高裁は、共同不法行為の理論で、不貞の相手方にも賠償責任を認めて
 います。しかし、不貞の相手方と不貞した配偶者で責任のレベルは同一か、
 となると、実は、見解の統一がとれていません。

 自分の経験からすると、不貞の相手方の賠償責任は軽いという意見の裁
 判官が多数ですが、責任に軽重をもうける理由がないという裁判官もおられ
 ます。

 また、軽重の程度についても、半分程度という意見がやや多い気がします
 が、これも、統一的な見解はないようです。









        
Q3.妻と別居後、まもなく好きな人ができたので、同棲生活を開始しました。
   私も、その人も、不貞による賠償責任を負いますか?     
A3.負う場合と負わない場合があります。

 夫婦関係破綻後に他の異性と同棲しても、不貞行為で婚姻関係を破綻さ
 せたわけではないから、賠償責任は負わない、というのが、現在の裁判所
 の考えです。

 すると、配偶者以外の女性と親しくなったのが、「破綻」前か後かで、180度
 結論が異なることになります。


 しかし、「破綻」という概念は、実は、かなり意味不明で、裁判官の中でも、
 意見が統一していません。


 「別居後なら不貞をしても大丈夫だ」という誤解が、かなり広まっており、弁
 護士さんでも、それを主張する方もおられますが、それは誤解です。

 「別居即破綻」ではありません。当事者の方が、よく口にされる『家庭内別
 居』に至っては、裁判所は、そういう概念さえ認めません。

 ここまでは、裁判所の見解の統一がとれています。


 しかし、その破綻は、離婚原因としての破綻と同じレベルが要求されるか、
 それとも、より緩和された破綻か、となると、見解の統一がとれていません。


 書籍によっては、ここでいう「破綻」は、離婚原因としての「破綻」よりは、よ
 り緩やかだという見解が有力に主張されています。しかし、東京家裁の裁
 判官は、講演会で、明確にこれを否定し、ここでいう「破綻」は、離婚原因
 としての「破綻」と同一だ、と説明されておられます。

 ところが、ある裁判官との対話では、自分でも、この「破綻」が、離婚原因と
 しての破綻と同じレベルを要求するのか分からない、と正直に述べておら
 れます。


 有責とならないメルクマールとしての「破綻」概念と離婚原因としての「破綻」
 概念の関係については、いまだ、見解の統一がとれていません。いと言えます。






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